挑戦
山を登り始めて14年が経ちました。
関東近郊の低い山を何とか登って下りてくることができた頃に比べると、今ではずいぶん自由に日本アルプスや全国の山々を歩けるようになりました。
ある時、山の友人に誘われ「〇〇岳から〇〇岳を歩いてみない？」と誘われました。
その時に「いいよ、行こう」と返事をしたもののなぜか「わくわく」が沸き起こってこなかったのです。
その時に気が付いたことは「自分のできることだけしかしていない」ということだったのです。山は大好きですが、そのあたりの山域は想像がつくので「難なく行けるだろう」という思いがありました。
そのことに気が付いてしまった私の次の行動は自分の最高の「わくわく」に動くことでした。
めちゃくちゃ怖いけど、やってみたかったこと。
これが「岩の稜線を歩く」ということでした。
気が付いてしまったので、さっそく行動に移りました。
歩きたかったところ、それは「めちゃくちゃ怖いけど歩きたかった稜線」です。
ここはやはり年間に何人か人が落ちる場所でもありビビりの私はめちゃくちゃ怖かったのです。
でも、今まで山岳会などを通して、岩の練習はしてきていたので、そろそろ行けると思っていました。
その日天気はイマイチでしたが、何とかスタート地点に立つことができました。
そして歩き始めたところから、雨が降り始め、視界がなくなり途端に道を間違えて進んでしまったのです。
しばらく進むけれど「これは正規のルートではない」と分かり、戻っていく中で、雨、風が急に強くなり、岩をつかむ手の感覚がなくなってきたどころか、二足歩行ができず、岩の稜線を四つん這いで歩くことになりました。
再スタートを切ったものの、体が冷えてきって指の感覚がなくなった時点で、一緒に登っていたパートナーに「今日はやめない？」と言い出すことができました。
パートナーも受け入れてくれました。
冷静に判断できたと思います。
でも、挑戦したことで、私の中にはたくさんの感情が沸き起こってきました。
強く感じたことは「守られている」と感じました。ここで無理やり行っていたら、事故を起こしていたかもしれません。
「挑戦したから成功したかったけど、失敗してもいい」
自分の中で根強く残っている信念体系「やり遂げないと意味がない」という信念体系は幼いころから聞かされてきた言葉でした。
たくさんの恐怖や不安を手放していきました。撤退する勇気。たくさんの感情が浮かび上がり、それを手放していくことができました。
結果、とりあえず挑戦しなかったらきっと後悔していたと思うので、恐怖や不安を受け入れながら、行動してよかったとは思います。
ちなみに
「恐怖」を手放すというけれど、これって「手放したら恐怖を感じなくなる」のではなくて「恐怖」を感じそれを受け入れながらも、先に進むっていうことです。
その経験を経て「挑戦しないといけない」という「ねばならない」という「観念」も同時に手放すことができました。
今はまた別の「わくわく」が沸き起こっていて、それをいつ実行するか、次なる「わくわく」を実行する日が今からとても楽しみです。
皆さんも「最高にわくわくすること」まではいかなくても「そこそこわくわく」することから始めてみてください。
「わくわく」と「恐怖」は表裏一体なので、たくさんの「恐怖」が手放せると思います。
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